人工肛門(ストーマ)の脱出トラブルに、自動縫合器を用いた簡便な経皮的治療が有用だと、藤田保健衛生大学消化器外科の前田耕太郎氏が第70回日本臨床外科学会総会で発表した。具体的には、脱出した腸管を引き出して縦割りにし、皮膚面から約1cmの距離で自動縫合器により環状に腸管を切除するという方法だ。

 進行した直腸癌では、癌の切除に伴いストーマとなる患者が少なくない。ストーマの管理に関するトラブルはスキンケアなどで解決できるケースが増えてきているが、一部の患者ではストーマ脱出を来すことがある。従来、根治には再度開腹手術を行うしかなく、それ以外には脱出の度に腸管をお腹の中に手指で戻す対処法しかなかった。

 自動縫合器を用いる方法を行ったのは7人(男性5人、女性2人)。ストーマは、その形状からエンドストーマ(単孔式)とループストーマ(双孔式)に分けられるが、1人のみエンドストーマで、6人がループストーマだった。手術時間は平均45分で、出血量は平均0g。術後の合併症はなく、観察期間5〜18カ月の段階で再発も見られていない。

 前田氏は、「2層の腸管を同時に切除するが、さほど手技が困難だったことはない。長期に経過をみる必要はあるが、これまで患者への負担が大きい開腹手術しか根治術がなかったことを考えると、有意義な方法と考えられる」と話した。