従来、肝切除後は数日間にわたりドレーン留置が行われてきた。しかし、さまざまな領域でドレーン留置は不要ではないかとの指摘が出てきている。そこで、国立病院機構大阪医療センター外科の宮本敦史氏らは、肝切除術翌日にドレーン抜去を行う基準作りに取り組み、第70回日本臨床外科学会総会で現状を報告した。

 対象は、2008年1〜6月に施行した、胆道再建や他臓器合併切除を行わなかった肝切除例34人(男性23人、女性11人、平均年齢61歳)。手術翌日に.疋譟璽麈啀佞寮状が肉眼的に血性ではない排液のビリルビン値が5.0mg/dL未満かつ血清ビリルビン値の3倍未満術者が抜去可能と判断――を満たすことを抜去基準とした。

 34人のうち、ドレーンを翌日に抜去したのは23人と約3分の2を占めた。術後合併症頻度や在院日数について、2006年1月〜2007年12月までに同様の肝切除術を行い、術後約1週間でドレーン抜去した58人のデータと比較したところ、術後感染症など合併症の頻度に差はなく、在院日数も同様の数字が得られた。

 宮本氏は、「非抜去となった11人のうち、術者判断で非抜去とした患者のうち4人は術後合併症がみられず、抜去基準をより工夫する必要があると考えられた」とした。