英AstraZeneca社は、分子標的薬バンデタニブ非小細胞肺癌患者を対象とした3つのフェーズ3臨床試験で有望な結果が得られたとこのほど発表した。ただし、試験結果の詳細は今後の国際学会で発表するとして明らかにはしていない。同社は、2009年上半期に海外で承認申請を行う予定だという。日本については申請時期は未定。

 3件のフェーズ3臨床試験は、バンデタニブ100mg/日とドセタキセルの併用療法をドセタキセル単剤療法と比較検討したZODIAC試験、バンデタニブ100mg/日とペメトレキセドの併用療法をペメトレキセド単剤療法と比較検討したZEAL試験、バンデタニブ300mg/日とエルロチニブ150mg/日の有効性を比較検討したZEST試験。ZODIAC試験は1レジメンの抗癌剤治療歴がある進行非小細胞肺癌患者1391人を対象に行われた。ZEAL試験は1レジメンの抗癌剤治療歴がある進行非小細胞肺癌患者534人を対象に行われた。ZEST試験は、治療歴のある局所進行または転移性の非小細胞肺癌患者1240人を対象に行われた。

 バンデタニブと化学療法を併用したZODIAC試験とZEAL試験では、化学療法の単剤療法に比べ良好な結果を示したという。バンデタニブを化学療法と併用することで、主要評価項目である無増悪生存期間(PFS)の延長が示されたといる。また、小規模のZEAL試験では統計学的な有意差は認められなかったが、より大規模なZODIAC試験では統計学的に有意なPFSの延長が認められたという。また、両試験で、化学療法とバンデタニブ併用群の方が化学療法単独群に比べ奏効率(ORR)で統計学的に有意な改善が認められた。統計学的な有意差はなかったものの、全生存期間(OS)でも延長傾向があったという。

 ZEST試験では主要評価項目だったPFSであった統計学的に有意な延長を示すことはできなかった。しかし、事前に計画されていた非劣性解析で、バンデタニブとエルロチニブはPFSとOSが同等であることが示された。

 3つのフェーズ3試験におけるバンデタニブの安全性プロファイルは、これまで非小細胞肺癌患者を対象に行ったバンデタニブの試験と同様なものだった。最も多くみられた有害事象は皮疹、下痢、高血圧だった。

 バンデタニブは血管内皮増殖因子(VEGF)を阻害する作用と上皮増殖因子受容体(EGFR)を介して起こる腫瘍増殖を直接阻害する作用で抗腫瘍効果を発揮する。またバンデタニブは特定の甲状腺癌の成長に関わるRETチロシンキナーゼも阻害する。