BRCA1およびBRCA2の遺伝子変異が陰性であっても、乳癌の家族歴を有する女性では乳癌発症のリスクは有意に上昇しているというデータが、米国癌研究会議(AACR)のCancer Prevention Research Seventh Annual International Frontiersで発表された。

 トロント大学およびWomen's College Research Instituteで乳癌のCanada Research Chairを務め、本研究の筆頭発表者であるSteven Narod氏は、365家族からBRCA1およびBRCA2の遺伝子変異を認めない女性1492人を5年以上追跡した。対象は、近親者に2人以上の乳癌患者がいる50歳未満の女性か近親者に3人の乳癌患者がいる全年齢層の女性とした。

 地域の乳癌登録では、このような女性の乳癌発症率は対照と比較して4.3倍上昇していたという。相対リスクは40歳未満の女性で最も高く、リスクはほぼ15倍上昇した。絶対リスクは50〜70歳の女性であり、30〜50歳の女性で0.4%であるのに対し、1%を示した。この値は生涯換算で約30〜40%となる。

 「臨床で私たちは、乳癌の家族歴があるがBRCA1およびBRCA2が陰性の症例を認めることが多い。このような患者のリスクについて正確に助言することは難しい。遺伝子が関与することは明らかだが、BRCA遺伝子だけでは特異性が高いとは言い難い」とNarod氏は話す。

 また同氏は、「リスクが高い場合、スクリーニングのための乳房MRIや、タモキシフェンまたはラロキシフェンによる予防的化学療法などの選択を検討する必要がある」と話している。

 同氏らは、今後もこのような女性を慎重に追跡し、最良の予防法を評価していくという。