米CytRx社は2008年11月11日、経口投与可能なBcr-Abl/Lynキナーゼ・デュアル阻害剤INNO-406のフェーズI試験が終了、予備的な分析結果はこの製品の有効性を示唆したと発表した。

 この製品は、05年12月に日本新薬から米INNOVIVE Pharmaceuticals社に導出された。INNOVOVE社は2007年1月、慢性骨髄性白血病(CML)治療薬として米食品医薬品局(FDA)からオーファンドラッグ指定を受けている。さらに2008年4月にはフェーズ1試験の結果の一部を米がん研究会議(AACR)で報告していた。

 その後、米CytRx社がINNOVIVR社の買収を進め、2008年9月に獲得を完了、INNOVIVE社の一連の製品を得た。

 INNO-406は、CMLまたは他の白血病で、フィラデルフィア染色体陽性かつイマチニブ、ニロチニブ、ダサチニブに不忍容または抵抗性の患者への治療適用を目指して開発されている。CytRx社は日本以外の国における開発と商業化の権利を保有する。

 今回予備的な結果が公表されたフェーズ1試験は、INNOVIVE社からCytRx社が引き継いで、米、独、イスラエルの7施設で行ってきたもの。主任研究者は米Texas大学M.D.AndersonがんセンターのHagop Kantarjian氏だ

 フェーズ1は最適用量を同定するための用量漸増試験として設計された。56人の患者(31人がCMLの慢性期、9人が移行期、7人が急性転化期で、9人は急性リンパ性白血病)を対象に30mgを1日1回から480mgを1日2回までの用量のINNO-406を投与した。

 最大耐用量であることが明らかになった240mgの1日2回投与を受けた患者群では、35%が骨髄の白血病細胞数の劇的な減少を経験したという。

 このグループの患者の20%超に見られた有害事象は、消化器症状、むくみ、疲労感などだった。有害事象による治療中止は全体でも13%に留まった。同社は結果の分析が終わり次第、詳細を発表する予定だ。また、CMLを対象とするフェーズ2試験の設計について、FDAとの協議を計画している。