ハリコンドリンBの合成類縁体で、微小管の伸長を阻害することで効果を発揮するeribulin mesylate(E7389)が、わが国で行われた難治性癌を対象にしたフェーズ1臨床試験で有望な結果が得られた。フェーズ2の推奨用量では3人の部分奏効(PR)が認められた。効果、副作用とも海外の臨床試験と同様だという。

 データは、10月21日から24日にスイスジュネーブで開催された第20回EORTC-NCI-AACR Symposium on Molecular Targets and Cancer Therapeuticsで、神戸大学大学院医学系研究科内科学講座腫瘍内科学教授の南博信氏によって発表された。eribulin mesylateは乳癌を対象にしたフェーズ2試験が国内で行われている。

 フェーズ1試験は、難治性癌患者15人(非小細胞肺癌3人、乳癌2人、大腸癌3人、胆管癌2人、その他5人)を対象にeribulin mesylateを21日ごとに1日目と8日目に投与する方法で行われた。患者の年齢中央値は58歳(40-73)だった。前治療は手術が13人、放射線治療が9人、化学療法が15人。試験は投与用量を増量していく方式で行われ、0.7mg/m2投与群(3人)、1.0mg/m2投与群(3人)、1.4mg/m2投与群(6人)、2.0mg/m2投与群(3人)に分けられた。

 最初の投与では、0.7mg投与群、1.0mg投与群では用量制限毒性は見出されなかった。1.4mg投与群で2人(33%)の患者に少なくとも1つの用量制限毒性が見出され、グレード4の好中球減少症を起こした患者と、8日目の投与回避が必要なグレード3の好中球減少症、グレード3の発熱性好中球減少症を起こした患者がいた。2.0mg投与群では全員の患者に少なくとも1つの用量制限毒性が見出され、グレード4の好中球減少症が1件、8日目の投与回避が必要なグレード3の好中球減少症が3件、グレード3の発熱性好中球減少症が3件見出された。

 治療サイクル数を重ねると1.0mg群以上でグレード3/4の副作用が見出されたが、主なものは好中球減少症で、容易に管理ができ、発現頻度は用量依存的だった。これらの結果からフェーズ2の推奨用法・用量は21日サイクルで1日目と8日目に1.4mg/m2のeribulin mesylateを投与することになった。

 一方、抗腫瘍効果は評価可能だった14人の患者のうち3人の患者(2人が非小細胞肺癌、1人が頭頸部癌)でPRが得られ、3人とも1.4mg群の患者だった。このほか安定状態(SD)が4人の患者で見られた。奏効率は21.4%で、完全奏効(CR)にPR、24週以上のSDを加えた疾患制御率も21.4%だった。