血管内皮細胞成長因子受容体(VEGFR)チロシンキナーゼ阻害剤cediranib(AZD2171)のわが国で行なわれたフェーズ1臨床試験の最終結果が明らかとなった。患者は1日当たり30mg以下の量で投与に十分耐えることができ、1部の患者で抗腫瘍効果が確認された。データは10月21日から24日にスイスジュネーブで開催されている第20回EORTC-NCI-AACR Symposiumで静岡県立静岡がんセンター呼吸器内科副医長の村上晴泰氏によって発表された。

 cediranibは現在mFOLFOX6レジメンとの併用で大腸癌を対象にフェーズ2/3試験が国内で実施されている。

 実施されたフェーズ1試験は用量を段階的に増加して行ったパートA試験と用量を30mgに固定して投与したパートB試験から構成されている。

 パートA試験には標準療法に難治性の進行固形癌患者16人が参加した。このうち非小細胞肺癌患者が5人で、結腸癌患者が3人、直腸癌患者が2人、その他の癌患者は6人だった。1日当たりの投与量を10mg(3人)、20mg(3人)、30mg(3人)、45mg(7人)に分けて試験を行なった。患者は1回cediranibの投与を受けた後、6日から8日空けたあと、1日1回cediranibの投与を28日を1サイクルとして繰り返し受けた。高頻度に見られた副作用は、血中エリスロポエチン上昇、下痢、倦怠感、血中甲状腺ホルモン上昇、高血圧だった。30mg以下の群では用量制限毒性は見られなかったが、45mg投与群で評価可能であった6人中3人で4件の用量制限毒性(蛋白尿と下痢1人、蛋白尿1人、血小板減少症1人)が見出され、30mgが最大耐容用量となった。

 パートBは24人の患者(非小細胞肺癌12人、結腸癌6人、直腸癌6人)を対象に1日当たり30mgのcediranibを28日を1サイクルとして、繰り返し投与を行った。パートBで多く見られたのも下痢(20人)、高血圧(20人、手足症候群(16人)、血中甲状腺ホルモン上昇(16人)、蛋白尿16人、血中エリスロポエチン上昇(14人)などだった。

 パートA試験とパートB試験を合わせて評価可能だった32人のうち、パートAの45mg投与群の頭蓋内の軟部組織肉腫患者とパートBの大腸癌患者で部分奏効が確認された。さらに、8週間以上の安定状態(SD)がパートAとパートBを合わせて24人で見られた。村上氏は「抗腫瘍効果はかなり良い」と語った。