イリノテカンの活性代謝物であるSN-38を高分子ミセル化した製剤のNK012は、進行癌を対象にした国内フェーズ1臨床試験で、有望な結果が得られたことが明らかとなった。最大耐用量は28mg/m2と決定され、この量で2人の患者で部分奏効(PR)が確認された。

 この結果は10月21日から24日にスイスジュネーブで開催されている第20回EORTC-NCI-AACR Symposium on Molecular Targets and Cancer Therapeuticsで国立がんセンター東病院の土井俊彦氏によって発表された。

 NK012はイリノテカンに比べて下痢の頻度が少なく、高い抗腫瘍活性を示すことが前臨床試験で明らかとなっている。

 フェーズ1試験でNK012は、3週間おきに30分かけて静脈内投与された。開始用量はSN-38に換算して2mg/m2とした。全部で24人の患者が投薬を受けた。2mg/m2が1人、4mg/m2が1人、8mg/m2が1人、12mg/m2が3人、16mg/m2が3人、20mg/m2が3人、24mg/m2が3人、28mg/m2が9人だ。28mg/m2投与群で、9人中2人で1用量制限毒性が見られたため、最大耐用量は28mg/m2となった。

 副作用は、グレード4のリンパ球減少症が28mg/m2投与群で3人に認められた。またグレード4の好中球減少症が28mg/m2投与群の2人で1コ−ス目の投与中に、2人で2コース目の投与中に見られた。グレード4の非血液学的な毒性はなくほとんどがグレード2以下だった。用量制限毒性となったのはほとんどが好中球減少症だったが、G-CSFの投与によって制御できた。

 抗腫瘍効果は28mg/m2投与群の食道癌患者と肺カルチノイド腫瘍患者にPRが確認された。また、安定状態が9人で見られた。

 フェーズ2の推奨用量は28mg/m2となり、トリプルネガティブ乳癌、肺癌、大腸癌を含む複数の進行癌に対するフェーズ2試験を考えているという。