Plk1(Polo-like kinase1)の阻害剤であるBI6227が、他の抗癌剤が有効でなかった癌患者を対象にしたフェーズ1臨床試験で、有望な結果を得たことが明らかとなった。重篤な副作用はなく、一部の患者で抗腫瘍効果が確認された。成果は10月21日から24日にスイスジュネーブで開催されている第20回EORTC-NCI-AACR Symposium on Molecular Targets and Cancer Therapeuticsでベルギーthe University Hospitals LeuvenのP.Schoffski氏によって発表された。

 Plk1は細胞分裂期に活性化する酵素で、正常組織では少なく、腫瘍組織で高レベルになっていることが判明している。阻害剤は腫瘍細胞の増殖を止めることができると期待されている。

 フェーズ1臨床試験は、進行または転移性固形癌患者(悪性黒色腫10人、非小細胞肺癌7人、肉腫6人、大腸癌7人、尿路上皮癌4人、前立腺癌2人、中皮腫2人、子宮頸癌2人、膵癌2人、その他8人)を対象に行われ、50人の患者に12mgから450mgのBI6227が投与された。1つの投与段階に3人から15人の患者を登録し、1時間かけてBI6227を1回投与した。癌の進行が見られなかった場合には、3週間置いてさらに投薬が行われた。患者当たりの投与回数の中央値は4回で、2人の患者では少なくとも16回の投与が行われた。

 その結果、1人の進行膀胱癌患者と1人の進行卵巣癌患者で部分奏効(PR)が確認され、患者の32%が安定状態(SD)となった。16回以上の投与を受けた膀胱癌患者では4回の投与以内で腫瘍が42%縮小した。卵巣癌患者は2回目の投与と4回目の投与でPRが確認されたが6回目の投与で病状は進行した。

 主な副作用は血液学的なもので、好中球減少と血小板減少が認められたが、治療可能で、回復できるものだった。また約10%の患者で倦怠感が見られたが、ほとんどが軽度から中等度だった。最大耐用量は400mgとされフェーズ2の推奨用量は300mgとなった。