EGFRとerbB受容体ファミリーを幅広く不可逆的に阻害する経口製剤のneratinib(HKI-272)が進行非小細胞肺癌に有効な可能性が明らかとなった。ゲフィチニブかエルロチニブの投与を受けても病気が進行した患者でも一定の効果が確認された。フェーズ2試験の予備的な解析の結果示されたもの。成果は10月21日から24日にスイスジュネーブで開催されている第20回EORTC-NCI-AACR Symposium on Molecular Targets and Cancer TherapeuticsでフランスInstitut Gustave RoussyのB.Besse氏によって発表された。

 フェーズ2試験は167人(女性が118人)の患者を3つの群に分けて行われた。グループA(91人)はゲフィチニブかエルロチニブの投与を12週以上受けたのち病状が進行した患者でEGFRに変異がある患者。ゲフィチニブ/エルロチニブによる効果は奏効率が56%で、6カ月以上安定状態(SD)だった患者が34%だった。グループB(48人)はゲフィチニブかエルロチニブの投与を12週以上受けたのち病状が進行した患者でEGFRに変異がない患者。奏効率は25%で6カ月以上のSDだった患者が27%だった。グループC(28人)はEGFRチロシンキナーゼ阻害剤の投与を受けたことがなく、腺癌で1年間に20箱以下の喫煙歴を持つが現在は喫煙していない患者で、EGFRの変異のある患者とない患者。

 患者には当初neratinibが1日あたり320mg投与されたが、胃腸系の副作用のために240mgに減少された。

 試験の結果、グループA(評価可能89人)は奏効率が2%で、SDは47%となった。完全奏効(CR)、部分奏効(PR)、16週以上のSDを含めた疾患制御率は24%、CR、PRに24週以上のSDを含めた疾患制御率は11%だった。グループB(48人)は奏効率が2%、SDは46%だった。CR、PRに16週以上のSDを含めた疾患制御率は19%で、CR、PRに24週以上のSDを含めた疾患制御率は10%となった。グループC(28人)は、奏効率が4%、SDは39%だった。CR、PRに16週以上のSDを含めた疾患制御率は36%で、CR、PRに24週以上のSDを含めた疾患制御率は21%となった。

 一方、副作用は下痢が最も多く、唯一10%以上のグレード3または4の副作用となった。240mgの投与を受けた128人中29人(25%)、320mgの投与を受けた39人中17人(47%)の患者がグレード3の下痢を起こした。しかし下痢の症状は可逆的で、一般的に管理可能だった。