多発性骨髄腫治療薬ボルテゾミブ(商品名「ベルケイド」)の特定使用成績調査の中間報告が公表された。注目されていた急性肺障害・間質性肺炎の発現率は、承認前の治験や個人輸入における発現状況からの予測値を下回った。また奏効率は高かった。中間報告は、10月10日から12日に京都市で開催された日本血液学会で、ベルケイド適正使用ガイド監修委員会を代表して飯田真介氏が発表した。

 ボルテゾミブは、販売開始後の一定期間、全患者を対象に使用実態調査を実施し、使用患者の背景情報を把握するとともに、同剤の安全性と有効性に関するデータを早期に収集し、適正使用に必要な措置を講じることを承認条件とされた。その結果行われているのが特定使用成績調査だ。

 2006年12月1日から2008年4月25日までに全例調査への登録患者は1130人で、登録不可保留症例数37人を除く登録可とした症例数は1093人、投与確認症例数は1048人だった。安全性集計対象症例数は525人で、有効性集計対象症例数は512人だった。

 副作用で最も注目された急性肺障害・間質性肺炎の担当医報告での発現率は4.2%(525人中22人)で、承認前の治験と個人輸入症例における発現状況からの予測6.8%(132人中9人)を超えることはなかった。また、2人(9.1%)は死亡したものの、17人(77.27%)は早期発見・治療によって致死的な転帰に進展することが防止できた。

 肺障害第3者評価委員会で間質性肺疾患、肺障害例32人中の24人(75%)はボルテゾミブとの関連を否定できず、間質性肺炎と判定された患者18人の発症時期は9人がサイクル1で、9人がサイクル2とサイクル2終了時までに発現した症例が多く、早期発見、早期治療が重要とされた。

 その他の副作用では、心機能障害関連副作用の発現率は4.0%(525人中21人)で重篤率は1.7%だった。末梢神経障害の発現率は25.52%(525人中134人)で重篤率は3.8%だった。主な血液毒性関連副作用の発現率は76.38%(525人中401人)だった。発熱の発現率は29.52%(525人中155人)で重篤症例数は3人(0.57%)だった。皮膚障害の発現率は13.14%(525人中69人)で重篤例はなかった。帯状疱疹は9.3%(525人中49人)だった。低血圧の発現率は4.57%(525人中24人)。消化管障害の発現状況は38.10%(525人中200人)で重篤症例には下痢2人、便秘3人、麻痺性イレウス5人が認められた。腫瘍崩壊症候群の発現率は4.95%(525人中26人)で重篤症例数は6人だった。

 一方、奏効率はボルテゾミブ単剤群(144人)は41.8%、ボルテゾミブ-デキサメサゾン併用群(368人)は53.6%だった。