再発・難治低悪性度B細胞リンパ腫およびマントル細胞リンパ腫にたいするベンダムスチン塩酸塩のわが国におけるフェーズ1試験の結果が明らかとなった。臨界毒性の発現症例はなく高い奏効率が得られた。成果は10月10日から12日京都市で開催された日本血液学会で京都府立医科大学血液・腫瘍内科の松本洋典氏によって発表された。

 ベンダムスチンの薬理作用はアルキル化作用と代謝拮抗作用が推定されており、短時間の曝露で、長時間にわたってDNA鎖を損傷する。既存の抗癌剤とは異なる作用機序と考えられており、様々な抗癌剤耐性細胞株でも細胞増殖を抑制することが示されている。

 わが国でのフェーズ1臨床試験ではベンダムスチンを1日1回、2日間連日点滴静注し、その後19日間経過観察することを1サイクルとして最大3サイクルまで投与を行った。投与用量は90mg/m2/日群(3人)、120mg/m2/日群(6人)の2用量を設定した。90mg/m2投与群で臨界毒性が認められなければ120mg/m2投与群を開始することにした。9人中8人が濾胞性リンパ腫で1人がマントル細胞リンパ腫で、120mg/m2投与群は全員濾胞性リンパ腫だった。主要評価項目は臨界毒性の発現例数とした。副次評価項目は有害事象の発現頻度、最良総合効果の奏効率、薬物動態パラメータとした。

 試験の結果、90mg/m2投与群、120mg/m2投与群のどちらでも限界毒性を発現した人はいなかった。そのためフェーズ2試験の推奨用量は120mg/m2となった。非血液学的毒性でグレード3以上のものはなかったものの悪心、食欲不振が全員に出現した。血液学的毒性は、両群合わせて白血球減少のグレード3が4人、好中球減少症のグレード3が2人、グレード4が1人見られた。

 奏効率(CR+CRu+PR)は、90mg/m2投与群で100%、120mg/m2投与群で83%となった。90mg/m2投与群で2人が完全寛解に到達した。120mg/m2投与群は1人が不変(SD)だった。全体としての奏効率は89%となった。

 ベンダムスチンは国内ではフェーズ2の患者登録が終了している。