再発または難治性のCD33陽性の急性骨髄性白血病(AML)の治療薬で抗腫瘍性抗生物質結合抗CD33モノクローナル抗体製剤ゲムツズマブオゾガマイシン(以下GOと略、商品名「マイロターグ」)の市販後全例調査の結果、重点調査事項であった静脈閉塞性肝疾患(VOD/SOS)の発現頻度は米国の調査よりも低いことが明らかとなった。データは10月10日から12日に京都市で開催された日本血液学会のコーポレートセミナーで、東京慈恵会医科大学腫瘍・血液内科の薄井紀子氏によって発表された。

 薄井氏はGOについて、「ターゲットテラピーで重要な薬だが、副作用は14日以内と比較的早く出てくる場合がある。きちんと患者の様子を見て、血小板数などを確認しておくことが重要」と指摘した。また、米国より、VOD/SOSが少なかった点については、「日本の先生が知っていて慎重になった可能性がある」あると語った。VOD/SOSについては米国で承認時に問題視され、前向き観察研究が承認後に行われた。

 わが国での全例調査は安全性、有効性に関する問題点、疑問点などを把握することを目的にAML患者の専門治療が可能な医師の常勤施設で行われた。調査期間は2005年9月22日から2008年10月10日(継続中)で、登録期間は2005年9月22日から2007年8月1日だった。解析は、2005年9月22日から2008年5月16日まで行われた。登録患者数は852人で調査表収集患者522人、安全性評価対象者522人、有効性評価対象患者数431人だった。合併症を抱えた状態でGO単独療法を施行された患者が67%と多かった。その多くが感染症や重要臓器障害だった。

 GOの副作用発現状況は、発現患者率は全副作用で88.31%、グレード3以上の副作用が79.50%だった。VOD/SOSの発生率は全体で5.36%(グレード3以上が4.41%)、感染症が31.96%(25.86%)、出血が13.2%(8.05%)、注射部位の反応が47.32%(24.14%)、肺障害が4.02%(3.45%)、腫瘍崩壊症候群3.07%(3.07%)だった。

 VOD/SOSはグレード5が9人いた。発現時期は投与後どの時期でも発現しているが、8日目から14日目が12人と最も多かった。VOD/SOSの発症に影響を及ぼす要因として有意差が認められたのは「既往歴にGVHD有り」でオッズ比は有vs無で3.307だった。また造血幹細胞移植(HSCT)からGO投与する場合、移植後3カ月以上空けてもVOD/SOSの発症リスクがあることも明らかとなった。また欧米のフェーズ2ではGO後のHSCTの16%にVOD/SOSが見られたが、わが国では見られなかった。米国の前向き観察研究におけるVOD/SOS発症は482人中44人で9.1%だった。

 VOD/SOS以外の重要な感染症には敗血症、肺炎を中心とした感染症や出血、肺障害が認められたが、多くは投与後14日目までに発症していた。血小板減少についてはGO投与後、早期に発現する場合や回復が遅延する場合は重篤な出血の原因となる可能性が高いため、血小板数が2万/μL未満の場合は血小板輸血を適切に行うことが必要という。

 一方、有効性は全396例中完全寛解率は7.8%で奏効率は14.1%だった。