切除不能な進行・再発大腸癌に対する標準化学療法の1つにFOLFOX療法があるが、厚生労働省が推奨するFOLFOX4は投与法が煩雑なため、より簡略化したmFOLFOX6が、実際には広く用いられている。両者の有効性と安全性を多施設で検討したところ、ともに同程度の評価が得られたと、京都第一赤十字病院消化器科の奥山祐右氏が第16回日本消化器関連学会週間で発表した。

 研究に参加した医療機関は、大学病院、市立病院など計35施設で、FOLFOX4療法かmFOLFOX6療法かという選択は施設に委ねられた。オキサリプラチンの使用量は85mg/m2とした。

 その結果、FOLFOX4療法を行ったのは55人(平均年齢62歳)、mFOLFOX6療法を行ったのは58人(平均年齢63歳)。5-FUなどすべての使用薬剤の用量に関しては、両群間に差を認めなかった。完全奏効と部分奏効を合わせた奏効率は、FOLFOX4療法54.5%、mFOLFOX6療法47.2%と、若干FOLFOX4療法群が上回ったが、無作為割付を行っていないことによる対象症例の差異によるものと考えられた。

 全生存期間中央値はFOLFOX4療法22.4カ月、mFOLFOX6療法20.6カ月、無増悪生存期間中央値はFOLFOX4療法9.0カ月、mFOLFOX6療法8.5カ月と、ほぼ同程度の結果が得られた。また、肝転移巣の縮小率を両群間で比較検討したところ、FOLFOX4療法38.1%、mFOLFOX6療法37.7%と、こちらもほぼ同様に評価できる結果が得られた。

 血液毒性については、グレード4の重い好中球減少症をFOLFOX4療法18.5%、mFOLFOX6療法12.3%に認めたが、治療関連死は認めなかった。末梢神経毒性は、グレード2以上のものを両群とも20〜40%認めた。神経症状の出現時期を調べたところ、FOLFOX4療法は8コース目以降、mFOLFOX6療法は12コース目以降に出現していた。

 奥山氏は、「今回の結果を海外の主要な臨床試験の結果と比較し、ほぼ同等とみなせる有効性・安全性が得られることが分かった。また、投与コース数と奏効例との相関を調べたところ、4コースでは7割弱だったが、8コースでは96%に上った。重篤な末梢神経障害の頻度が8コースを越えると出現することを考え合わせると、施行回数8コースが1つの目安になり得る」と述べた。

 さらに奥山氏は、海外でのデータのみで承認された抗癌剤を国内で安全かつ有効に使用する上で、一般病院で実際の“使い勝手”を確認できたという点においても、今回の多施設臨床研究は有意義だったと振り返った。