ビスホスホネート製剤の1つ、ゾレドロン酸水和物(商品名:ゾメタ)と化学療法の併用により、骨転移を来した腎盂癌で著効が得られた症例を経験したと、国際親善総合病院薬剤部の佐藤利之氏が、第18回日本医療薬学会年会で報告した。

 患者は、40歳代の男性で、受診時に左腎盂・膀胱癌に後腹膜リンパ節転移および左肋骨・骨盤骨転移があると診断された。腎機能に大きな問題はなく、骨転移による腰痛としびれが強かった。

 経尿道的膀胱腫瘍切除術後、全身化学療法として、メトトレキサート、エピルビシン、ネダプラチンの3剤併用療法を行った。疼痛緩和のため、当初は非ステロイド抗炎症薬(NSAIDs)を投与したが、数日後に痛みが増強してきたため、オピオイド鎮痛薬を開始した。しかし、副作用による便秘が生じ、痛みもさほど軽減しないため、ゾレドロン酸水和物の併用を始めた。

 併用開始直後、一過性の疼痛増強がみられたが、数日で痛みが和らぎ、オピオイドを中止できた。併用約1カ月後にCTによる病巣評価を行ったところ、原発巣である腎盂癌の腫瘤陰影が縮小しており、骨転移の溶骨性変化もなくなり、骨形成が進んでいることがわかった。

 入院から約2カ月で退院し、半年経過するが、病状は進行していないという。佐藤氏は、「化学療法単独では骨転移巣への効果が低いと言われている。ゾレドロン酸水和物との併用により、治療効果が相乗的に高まった可能性がある」と推測した。