大腸癌標準化学療法の一つ、FOLFIRI療法などで用いられるイリノテカンを使用している患者の一部は、まだ薬が効くにもかかわらず、無効と判断されている可能性があることがわかった。栃木県立がんセンター腫瘍内科の浜本康夫氏が、第16回日本消化器関連学会週間で発表した。

 浜本氏らは、2004年1月から2008年1月までに、イリノテカン不応あるいは不耐との判断で紹介された患者のうち、イリノテカン再投与を行った10人(男性9人、女性1人、平均年齢64歳)を検討。いずれも全身状態は比較的良好だった。

 再投与レジメンはFOLFIRI療法が最も多く6人、次いでイリノテカン単独投与が3人だった。イリノテカンの再投与量は平均138.5mg/m2/2週間、再投与回数は平均9回だった。抗腫瘍効果をみたところ、6人では病状進行したが、4人では安定状態が得られた。また、腫瘍マーカーの数値については、3人でCEA値が半分以下に低下、4人でCA19-9値が半分以下に低下した。全生存期間は平均5.3カ月、無増悪生存期間は平均3.4カ月だった。

 浜本氏は、「重度の有害事象としては、好中球減少3人、皮疹1人、発熱性好中球減少症1人などで、許容範囲内と考えられた。治療開始から無効と判断するまでの期間が短すぎるのではないか。緩和ケアへの移行を考慮する前に、再投与も検討してみてほしい」と強調した。