局所進行切除不能膵癌に対してS-1の投与と放射線照射の併用が有効である可能性が、わが国でのフェーズ2臨床試験で明らかとなった。結果は10月1日から4日に都内で開催されたJDDW2008で鹿児島大学大学院・腫瘍制御学の新地洋之氏によって発表された。

 研究グループは、まずフェーズ1試験を実施した。体外放射線は1日照射量を1回1.25Gyを朝夕2回の2.5Gyとし、週5日間照射で4週間行い合計で50Gy照射した。S-1の用法用量は、レベル1として、1日あたり60mg/m2(1日目から7日目、15日目から21日目に投与)、レベル2として1日あたり60mg/m2(1日目から14日目に投与)、レベル3aとして1日あたり60mg/m2(1日目から21日目に投与)、レベル3bとして1日あたり80mg/m2(1日目から21日目に投与)、レベル4として1日あたり80mg/m2(1日目から28日目に投与)とした。その結果フェーズ1試験17例でグレード3以上の有害事象が、レベル1で嘔吐が1人、レベル4で3人中2人にそれぞれグレード3の下痢、好中球減少が見られたことから、レベル4が最大耐量と判断され、フェーズ2の用法用量はレベル3bとなった。

 フェーズ1で決まった用法用量でフェーズ2試験を行い、1年以上観察した30人について新地氏は発表した。全例治療は完遂でき、グレード3以上の有害事象は認められなかった。画像的な所見では部分奏効(PR)が33%、安定状態(SD)が50%、増悪(PD)が17%だった。腫瘍マーカーであるCA19-9が異常値だった22人のうち正常値に戻ったCRが14%、50%以上減少したPRが45%に認められた。15人が現在も生存中で、生存期間中央値は14.8カ月、1年生存率は70%、2年生存率は40%だった。

 研究グループは現在フェーズ3試験の検討を行っている。