75歳以上の高齢者への肝癌(肝細胞癌)であっても、ラジオ波焼灼療法は安全に行えることが確認された。第16回日本消化器関連学会週間で、愛媛県立中央病院消化器内科の平岡淳氏が報告した。

 平岡氏らは、2000年1月から2007年12月の間にラジオ波焼灼療法を行った初発肝癌165人を、75歳以上の高齢群(50人)と75歳未満の非高齢群(115人)に分けて、生存成績や合併症などの割合を検討した。

 平均年齢は高齢群78.5歳、非高齢群64.1歳だった。患者背景を比較すると、腫瘍個数の平均と肝癌の腫瘍マーカーの1つであるPIVKA-IIの数値が、高齢群で有意に高かった(p<0.05)。生存成績を調べたところ、1年生存率、3年生存率、5年生存率のいずれも、高齢群と非高齢群は同程度だった(p=0.95)。ラジオ波焼灼療法の実施に伴う合併症の割合は、高齢群4.0%、非高齢群4.3%と同程度で、熱傷などだった。

 平岡氏は、「高齢者であっても、ほかの重篤な疾患の合併や全身状態の悪化がなければ、安全にラジオ波焼灼療法を行うことができ、かつ同様の効果が期待できると考えられた」とまとめた。