米Eli Lilly社は2008年9月29日、米食品医薬品局(FDA)が、同社の「アリムタ」(一般名ペメトレキセド)をシスプラチンとともに扁平上皮癌以外の組織型を示す局所進行/転移性非小細胞肺癌に第一選択薬として用いることを承認したと発表した。扁平上皮癌以外の非小細胞肺癌には、腺癌、大細胞癌その他が含まれる。

 非小細胞肺癌のうち、扁平上皮癌は適応ではない。同時に、既に承認を得ていた局所進行または転移性非小細胞癌に対する第二選択としての単剤適用についても、対象が非扁平上皮癌に限定されることになり、処方情報等に変更が加えられた。

 米国では2004年2月に、切除不能の悪性胸膜中皮腫の治療に「アリムタ」とシスプラチンを併用することが認められた。続いて同年8月、化学療法が奏効しなかった局所進行または転移性の非小細胞肺癌患者に対する「アリムタ」の単剤適用が承認された。

 今回の、非扁平上皮型非小細胞肺癌に対する第一選択としての承認は、以下のフェーズ3結果に基づく。

 オープンラベルの無作為化試験が1725人の患者を対象に行われた。患者を「アリムタ」/シスプラチン併用(AC群)と「ジェムザール」(ゲムシタビン)/シスプラチン併用(GC群)に割り付け、生存期間を比較したところ、全生存期間の中央値はいずれも10.3カ月(調整ハザード比0.94、95%信頼区間0.84-1.05)、無増悪生存期間の中央値はAC群4.8カ月、GC群5.1カ月(調整ハザード比1.04、同0.94-1.15)で、全奏効率は27.1%と24.7%という結果になった。

 この試験では当初から、非小細胞肺癌の組織型が生存期間に及ぼす影響の評価も計画されていた。分析により得られた結果は、非扁平上皮癌患者の全生存期間の中央値はAC群11.0カ月、GC群10.1カ月(未調整ハザード比は0.84、同0.74-0.96)、扁平上皮癌患者ではそれぞれ9.4カ月と10.8カ月(未調整ハザード比1.22、同0.99-1.50)となった。

 扁平上皮癌の患者には「アリムタ」は「ジェムザール」に優る利益を与えられないことは、治療歴のあるステージ3/4の非小細胞肺癌患者を対象に「アリムタ」単剤とドセタキセルの効果を比較した試験のデータを後ろ向きに分析した研究によっても示唆されている。

 一方で、「アリムタ」は「ジェムザール」に比べ血液毒性が低く、輸血や細胞増殖因子投与の頻度が少なくて済むという利点を持つ。「アリムタ」群で発生率が20%以上になった有害事象は、嘔吐、好中球減少症、白血球減少症、貧血、口内炎/咽頭炎、血小板減少症、便秘などだった。

 日本では2007年始めに、悪性胸膜中皮腫患者へのシスプラチンと「アリムタ」の併用が承認された。