米ImClone Systems社と米Bristol-Myers Squibb社は、2008年9月22日、治療歴のない局所進行頭頸部腫瘍患者に「Erbitux」(セツキシマブ)と放射線治療を併用した枢要なフェーズ3試験の5年目のデータを明らかにした。詳細は、米Alabama大学のJames Bonner氏により米放射線腫瘍学会(ASTRO)で同日報告された。

 Bonner氏が学会で発表したのは、頭頸部腫瘍へのセツキシマブ適応拡大が認められるきっかけとなった国際的無作為化試験(IMCL-9815)のその後の結果だ。生物製剤追加承認申請(sBLA)に添えられ、処方情報にも掲載されている3年時の結果と同様に、5年間のデータの分析結果も、全生存期間の有意な改善を示した。さらに、局所進行頭頸部扁平上皮癌患者の約半数が現在も生存していることが明らかになった。

 治療歴のない局所進行頭頸部扁平上皮癌患者424人を登録。無作為に高用量放射線治療とセツキシマブの併用(211人)または高用量放射線治療のみ(213人)に割り付け、6〜7週治療を行った。セツキシマブ投与回数の中央値は8回だった。

 5年間のデータを分析したところ、セツキシマブ併用群で、全生存期間の中央値の有意な延長が見られた。放射線治療のみ群は29.3カ月、セツキシマブ併用群では49.0カ月で、死亡のハザード比は0.725(95%信頼区間0.556-0.946、P=0.018)。

 この結果は、処方情報に記載されている3年時の結果とほぼ一致する。3年時の生存期間の中央値は放射線治療と併用が49.0カ月、放射線治療のみが29.3カ月、ハザード比は0.74(0.57-0.97、P=0.03)だった。

 3年時の全生存率は、放射線治療のみ群45%とセツキシマブ併用群55%(P=0.05)で、両群に有意差ありとみなしにくい成績だった。これが5年間の全生存率になると、放射線治療のみ群36%、セツキシマブ併用群45%で有意差が明確になった(P=0.018)。

 5年間のデータは、米国で頭頸部腫瘍の治療に適用できる初の生物製剤として承認されたセツキシマブの有効性を支持した。

 なお、総合的な安全性の分析は5年の時点では行われなかった。

 3年時に報告された安全性評価の結果によると、有害事象として、皮疹(87%)、粘膜炎/口内炎(93%)、嚥下障害(65%)、口内乾燥(72%)、疲労/倦怠感(56%)、注入部位の反応15%)などが比較的多く見られた。

 グレード3/4の重症有害事象は、皮疹(17%)、粘膜炎/口内炎(56%)、嚥下障害(26%)、口内乾燥(45%)、疲労/倦怠感(4%)、注入部位の反応(3%)など。これらの中で、セツキシマブ併用群に有意に多かったのは、皮疹と注入部位の反応のみだった。

 この試験はImClone社とパートナーの独Merck KGaA社の後援により行われた。