遺伝性甲状腺髄様癌に対し、vandetanib100mgの投与を検討したフェーズ2臨床試験で、患者の68%で病勢コントロールが可能であり、その効果は腫瘍マーカーの減少でも確認された。スペインHospital Virgen del RocioのL. Paz-Ares氏らが、9月12日から16日にスウェーデンのストックホルムで開催された欧州癌治療学会(ESMO)で発表した。

 甲状腺髄様癌(MTC)は、甲状腺癌の組織型の1つで、甲状腺癌全体の1〜2%を占める。甲状腺髄様癌には遺伝性(家族性)と散発性があるが、遺伝性の場合、ほとんどでRET遺伝子の変異が認められている。Vandetanib(ZD6474)は、RET受容体と血管内皮細胞増殖因子(VEGF)受容体、上皮成長因子(EGF)受容体に対する阻害剤だ。

 試験は、局所進行または転移性で、切除不能の遺伝性甲状腺髄様癌患者19人を対象に、vandetanib100mgを1日1回経口投与し、その効果を検証した。今年の米国臨床腫瘍学会(ASCO)で概要が報告され、今回はその最新データが発表された。

 主要評価項目である奏効率は、部分奏効(PR)が16%(3人)で、24週以上の病状安定(SD)が52%(10人)。副次評価項目である病勢コントロール率(PR+SD)は68%に上った。

 甲状腺髄様癌の細胞から分泌されるホルモンで、腫瘍マーカーとして使われているカルシトニン(CTN)の濃度を測定したところ、治療開始時に比べて、50%以上の減少が4週間以上見られたのが3人(16%)、同じく腫瘍マーカーである血中癌胚抗原(CEA)では1人(5%)だった。

 主な有害事象は、下痢が最も多く9人、疲労感が8人、皮疹が5人、便秘が4人、食欲不振、背部痛、悪心、光過敏症がおのおの3人だった。「ほとんどの有害事象がCTCAE基準のグレード1/2であり、管理可能だった」としている。

 これらのことから、「転移性の遺伝性甲状腺髄様癌において、vandetanib100mgの投与は臨床的効果がある」と結論づけた。現在、局所進行または転移性で、遺伝性または散発性の甲状腺髄様癌を対象に、vandetanib300mgのフェーズ3臨床試験が進行中で、登録も終了したという。