進行性肝細胞癌患者(HCC)にソラフェニブは腫瘍壊死を誘導し、奏効と、壊死と腫瘍の大きさの比(N/T)には相関があることが分かった。9月12〜16日にスウェーデン・ストックホルムで開催された欧州臨床腫瘍学会(ESMO)で、米国Memorial Sloan-Kettering Cancer CenterのGhassan.K.Abou-Alfa氏が報告した。同氏の報告は、本学会のBest Poster Awardを受賞した。

 同氏らが2006年に発表した進行性HCC患者に対するソラフェニブのフェーズ2試験では、ソラフェニブ投与群の部分奏効は2%だったが、対象の33.6%は16週間不変(SD)を維持し、中心性の腫瘍壊死が多く認められた。

 今回のサブ解析の対象は、進行性肝細胞癌の12人(男性8人、年齢の中央値73歳)。

 投与前と追跡時の三相CTを用いて熟練した放射線科医が肝病変を手動で描出し、k-means法で壊死の区域を測定した。さらにmaximum a priori(MAP)法を適用し、腫瘍と壊死の分布密度などの情報を得た。N/Tと、ソラフェニブが奏効した患者(SDまたは壊死を伴うSD)と無奏効の患者(疾患の進行)のAFPの投与前からの変化を調べた。また、全生存率(OS)とN/TおよびAFPの変化の相関を評価した。

 対象中5人はSDまたは壊死を伴うSD、7人は治療中に進行した。生存期間の中央値は3.1カ月、奏効した患者では4.8カ月、無奏効の患者では3.1カ月であった。投与前に比べ、N/Tが大きくなった患者は有意に奏効と相関した。N/TはOSと有意な相関を示さず、また投与前からのAFP値の変化は反応やOSに相関しなかった。

 本解析により、奏効とN/Tの相関が示唆されたが、奏効の代用としてN/Tを用いるには、大規模臨床試験の一部としてさらに評価が必要と同氏は話している。