転移性乳癌において、adecatumumab(MT201)とドセタキセルの併用は、安全に使用でき、副作用も管理可能であったことがフェーズ1B試験で初めて明らかになった。成果は、University of Essen のM. Schuler 氏らが、9月12日から16日にスウェーデンのストックホルムで開催された欧州臨床腫瘍学会(ESMO)のポスターセッションで発表した。

 Adecatumumabは、上皮細胞特異的接着分子(EpCAM)に結合するヒトモノクローナルIgG1抗体。EpCAMが過剰発現した転移性乳癌患者で進行を抑制することが報告されている。

 今回の試験は、EpCAM発現陽性の転移性乳癌患者を対象に、オープンラベル試験として、adecatumumab(低用量群180mg/m2、高用量群550mg/m2)とドセタキセル(100mg/m2)を3週間おきに投与した。初回投与量はadecatumumabの低用量群で100mg/m2、高用量群で300mg/m2とした。

 患者19人が登録され、前治療は中央値で3回行われていた。アントラサイクリン系薬剤による治療は患者の95%が、タキサン系薬剤は68%、ホルモン治療は74%、モノクローナル抗体による治療は患者の21%が受けていた。

 主要評価項目である安全性については、低用量群(7人)よりも高用量群(12人)の方が有害事象の発生率が高い傾向があり、特に点滴に伴う痛み(グレート1〜4)は低用量群で0人(0%)であるのに対し、高用量群では4人(33.3%)、頭痛がそれぞれ1人(14.3%)、4人(33.3%)、悪心が4人(57.1%)、9人(75.0%)、嘔吐が3人(42.6%)、8人(66.7%)、下痢が4人(57.1%)、10人(83.3%)だった。

 主なグレード3/4の有害事象は、白血球減少が低用量群では6人(85.7%)、高用量群では11人(91.7%)、リンパ球減少がそれぞれ3人(42.9%)、11人(91.7%)、好中球減少は7人(100%)、8人(66.7%)、下痢が1人(14.3%)、4人(33.3%)だったが、「多くは臨床的に管理可能だった」という。

 副次評価項目である抗腫瘍効果は、最終的に評価が可能だった15人において、奏効率(CR、PR)は20%で、クリニカルベネフィット(CR、PR、24週を超えるSD)は33.3%となった。また、EpCAMが高発現していた患者(7人)の奏効率は42.9%、クリニカルベネフィットは57.1%に上ったが、低発現の患者(8人)ではそれぞれ0%、12.5%と、EpCAMの発現量によって抗腫瘍効果は異なった。

 これらの結果から、研究グループは「治療経験のある転移性乳癌において、adecatumumabとドセタキセルの投与は、安全であり、実施が可能である」としている。