ビスホスホネート製剤であるゾレドロン酸(商品名「ゾメタ」)が、早期乳癌において骨髄中の腫瘍細胞を減らし、遠隔転移を防ぐ可能性のあることが2年間の治療結果で明らかになった。米国University of California at San FranciscoのA.Y. Lin氏らが、9月12日から16日にスウェーデンのストックホルムで開催された欧州臨床腫瘍学会(ESMO)で発表した。

 ビスホスホネート製剤は、前臨床試験で、細胞増殖の阻害やアポトーシスの誘導などにより、抗腫瘍効果を示すといわれ、ビスホスホネート製剤のclodronateでは骨転移の発生を減少させ、生存を改善したことが報告されている。

 今回の試験は、ステージ1から3の乳癌で、術前補助療法あるいは術後補助療法を受け、骨髄中の腫瘍細胞(disseminated tumor cell、DTC)数が4/mLを超える患者を対象とした。ゾレドロン酸を月に1回4mg静注し、2年間継続した。その間、ホルモン治療は継続可能とした。

 45人が登録され、平均年齢は46歳。追跡期間の平均は19.8カ月(2〜38カ月)で、試験開始時の平均DTC数は25.6/mL(4.9〜332)だったが、12カ月目では7.9/mL(0〜28.5)、24カ月目は14.4/mL(0〜168.6)といずれも試験開始時に比べて有意に減少した(それぞれp=0.0006、p=0.0026)。

 また投与1年目で評価のできた32人のうち、25人では開始時に比べてDTCは減少しており(p=0.0018)、2年目では24人中17人で減少していた(p=0.0026)。

 6人で再発が認められ、DTCは平均で101.5/mL(14.2〜332.9)、再発までの期間は18カ月(5〜40カ月)だった。試験開始時のDTC(>30/mL)は遠隔再発と有意な相関のあることが示された(p=0.007)。

 安全性については、発熱や骨・筋肉の痛み、疲労感などのグレード1/2の有害事象が33人(73%)、副作用のために治療を中止したのは1人だけで、「月1回のゾレドロン酸投与は高い忍容性がある」とした。

 また、45人のうち26人で、末梢血でもDTCが得られており、試験開始時の末梢血DTCも遠隔再発と相関が見られた(p=0.011)。詳細な分析を現在行っているという。