陽イオンの電荷を帯びたリポソームにパクリタキセルを内包化させた製剤である「EndoTAG-1」とゲムシタビンの併用投与が局所進行または転移性膵癌患者に有効である可能性が明らかとなった。フェーズ2試験の結果、有効性が示されたもの。成果は9月12日から16日にスウェーデンのストックホルムで開催された欧州臨床腫瘍学会(ESMO)でスウェーデンKarolinska InstitutetのJ.Matthias Lohr氏によって発表された。

 発表されたフェーズ2試験は切除不能膵癌患者のファーストラインとして行われたもの。ゲムシタビン1000mg/m2のみを毎週投与する群、11mg/m2のEndoTAG-1の隔週投与とゲムシタビン1000mg/m2の毎週投与を併用する群、22mg/m2のEndoTAG-1の隔週投与とゲムシタビン1000mg/m2の毎週投与を併用する群、44mg/m2のEndoTAG-1の隔週投与とゲムシタビン1000mg/m2の毎週投与を併用する群の4群に分けて行われた。各群には、それぞれ50人が登録された。投与期間は当初7週間とされていたが、後に臨床的な有用性が認められた場合には継続して投与してもよいことに変更された。

 その結果、方法変更前の98人のうち、ゲムシタビンのみ群に登録されたのは28人、11mg/m2併用群に登録されたのは19人、22mg/m2併用群に登録されたのは19人、44mg/m2併用群に登録されたのは25人だった。変更後の102人のうち、ゲムシタビンのみ群に登録されたのは22人、11mg/m2併用群に登録されたのは31人(うち13人が継続投与)、22mg/m2併用群に登録されたのは25人(うち8人が継続投与)、44mg/m2併用群に登録されたのは24人(うち7人が継続投与)だった。患者背景は各群とも大きな差はなかった。

 試験の結果、200人全体の全生存期間中央値は、ゲムシタビンのみ群が7.2カ月(95%信頼区間5.9-9.2)に対して、11mg/m2併用群は8.4カ月(95%信頼区間6.4-10.1)、22mg/m2併用群は8.7カ月(95%信頼区間7.7-11.5)、44mg/m2併用群は9.4カ月(95%信頼区間7.7-11.3)となった。12カ月時点での生存率は、ゲムシタビンのみ群が17%だったのに対して、11mg/m2併用群は22%、22mg/m2併用群は36%、44mg/m2併用群は33%だった。

 投与方法変更後の102人に限定して解析したところ、全生存期間中央値は、ゲムシタビンのみ群が6.8カ月(95%信頼区間5.4-9.2)に対して、11mg/m2併用群は9.1カ月(95%信頼区間6.8-11.4)、22mg/m2併用群は13.6カ月(95%信頼区間9.7-)、44mg/m2併用群は10.8カ月(95%信頼区間8.5-14.6)となった。

 副作用は、EndoTAG-1に関連している可能性のある重篤な副作用が33人に見出され、注射関連反応・一般症状の悪化(19人)、血液・リンパ系異常(8人)、感染症(2人)などだった。