進行乳癌に対する初回治療として、ドセタキセルエピルビシンとドセタキセル+カペシタビンを比較した多施設フェーズ3臨床試験の最終結果が報告され、どちらのレジメンもほぼ同様に有効であることが明らかになった。Hellenic Oncology Research Group乳癌グループを代表してD. Mavroudis氏が、9月12日から16日にスウェーデンのストックホルムで開催された欧州臨床腫瘍学会(ESMO)で発表した。

 試験は、未治療の局所進行あるいは転移性乳癌(ステージ3Bから4)の患者を、3週間おきに、エピルビシン(75mg/m2)とドセタキセル(75mg/m2)を1日目に投与する群(DE群)と、ドセタキセル(75mg/m2)を1日目に、カペシタビン(950mg/m2を1日2回)を1〜14日目に投与する群(DC群)に無作為にそれぞれ136人ずつ割り付けた。

 手術を受けた経験のある患者はDE群で64%、DC群で75%(p=0.05)、化学療法による治療はそれぞれ40%、51%(p=0.07)で、放射線治療は38%、37%とほぼ同程度だった。

 主要評価項目である治療成功期間(TTP)の中央値は、DE群が10.4カ月(1〜59カ月)、DC群は10.5カ月(1〜62カ月)で、有意な違いは認められなかった(p=0.9)。

 副次評価項目である生存期間(OS)の中央値はそれぞれ36.1カ月(1.5〜63.4カ月)、37.5カ月(1.1〜63.1カ月)で有意差はなかった(p=0.9)。1年生存率は両群とも86%、奏効率は51%、53%(p=0.8)、追跡期間中央値はそれぞれ30.5カ月、32.3カ月だった(p=0.4)。

 主な副作用は、好中球減少、発熱性好中球減少、貧血、無力症などで、グレード2/3の貧血ではDE群が20%、DC群は7%(p=0.001)、グレード3/4の手足症候群ではそれぞれ0%、4%(p=0.02)と、両群間で発生率が有意に異なっていた。

 これらの結果から、「ドセタキセル+エピルビシンとドセタキセル+カペシタビンの有効性はほぼ同等だが、副作用は異なる」とし、「いずれのレジメンも進行乳癌の初回治療に適している」と述べた。

 ディスカサントとして登壇したベルギーJules Bordet InstituteのF. Cardoso氏は、両群間で有意な違いが認められなかったことに関し、試験が検出力に欠けていた可能性を指摘。さらにEuropean School of Oncology(ESO)とEuropean Breast Cancer Conference(EBCC)のガイドラインでは、転移性乳癌に対し、原則的には単剤の投与が望ましいとされており、2次以降の治療法も考慮に入れ、初回治療で併用療法を行う患者を選択すべきであるとコメントした。