スニチニブによる治療は、multidimensional geriatric assessment(MGA)で衰弱が認められる高齢者の患者でも実現可能で有効なことが明らかになった。この結果は、9月12日から16日にスウェーデン・ストックホルムで開催された欧州臨床腫瘍学会(ESMO)で、イタリアInstitute Oncologico Veneto-IOVのA.Brunello氏が報告した。

 転移性腎細胞癌(mRCC)に対し、経口薬のスニチニブは臨床的な活性を示し、高齢者でも管理可能な安全性プロファイルを有する。しかし、高齢者における実際の忍容性はまだ十分証明されていない。

 この研究は、イタリアの3施設でmRCC患者にスニチニブを投与した記録を再検討し、忍容性と有効性を解析したものだ。

 対象は36人(年齢の中央値73.7歳)。主要評価項目は有害事象、副次評価項目は有効性とグレード3〜4の毒性とMGAの相関とした。

 対象の32人(88.8%)に合併症があり、平均で1.9の合併症を認めた。心血管疾患の危険因子があったのは29人。Cumulative Illness Rating Scale for Geriatrics(CIRS-G)に基づくグレード3または4の合併症を6人に認めた。

 衰弱(11.1%)や1クール終了後の毒性(41.6%)が見られた場合は、37.5mgへの減量を行った。疾患の進行が急速な6人(16.6%)とグレード3以上の毒性(心不全1人、疲労1人、発熱性好中球減少症1人、8.3%)が出現した対象の計9人は早期に治療を中止した。

 追跡期間の中央値6.6カ月の時点では27人(75%)が生存しており、全生存率の中央値は16.7カ月であった。

 評価可能な21人中、部分奏効14人(66.6%)、不変5人(28.6%)であった。15人では疾患が進行し、増殖抑制時間の中央値は11.9カ月であった。心臓イベントは5人(13.8%)に発生し、高齢者では心臓のモニタリングが必須であると考えられた。MGAによる衰弱とグレード3または4の毒性および奏効に相関はなかった。

 本解析はレトロスペクティブなデータであるが、スニチニブによる治療は実現可能で有効なことが示唆された。ただし有害事象の発生と早期の中断はまれではなく、合併症や多剤併用療法の相互作用の可能性については不明である。