アジア太平洋地域の患者では、切除不能な肝細胞癌に対しソラフェニブ単剤投与はECOG PSや肉眼的血管浸潤(MVI)、肝臓外転移(EHS)に非依存的に有効であることが示された。これはアジア太平洋地域で実施された、フェーズ3無作為化プラセボ対照二重盲検試験のサブグループ解析で明らかになったもの。9月12日から16日にスウェーデン・ストックホルムで開催された欧州臨床腫瘍学会(ESMO)で、韓国のASAN Medical CenterのYoon-Koo Kang氏が報告した。

 試験全体の対象は、中国、韓国、台湾の切除不能で評価が可能な進行性のHCC患者226人。対象を2:1の割合でソラフェニブ400mgを1日2回投与する群と、プラセボを投与する群に無作為に割り付けた。

 サブグループ解析のMVI/EHSを伴う対象、MVI/EHSを伴わない対象、ECOG PSが0の対象、ECOG PSが1または2の対象は、ソラフェニブ投与群で各118人、32人、38人、112人。プラセボ投与群で各61人、15人、21人、55人であった。

 評価項目には全生存率(OS)、病勢コントロール率(DCR)、安全性を含めた。

 OSの中央値は、MVI/EHSを伴う対象ではソラフェニブ投与群5.6カ月、プラセボ投与群4.1カ月。同様にMVI/EHSを伴わない対象では14.3カ月と8.0カ月であった。ECOG PS 0の対象では、7.1カ月と8.1カ月、ECOG PSが1または2の対象では6.1カ月と3.9カ月であった。

 サブ解析におけるグレード3以上の薬剤関連性の有害事象の発生率は、全対象の結果と同様であった。

 これらの結果から、ソラフェニブはアジア太平洋地域の肝細胞癌患者に対し、ECOG PSの状態やMVI/EHSの有無にかかわらず有効であることが示唆された。今後、大規模集団での詳細な試験により正当性が裏付けられることになる。