転移性腎細胞癌患者でスニチニブを投与した患者では、一次治療としてインターフェロンα(IFN-α)を投与した患者よりも健康関連QOLが良好だった。この結果は、質問票の回答に基づき、患者のQOLの面から治療効果を国際比較するフェーズ3無作為化試験によるもの。9月12日から16日までスウェーデンストックホルムで開催された欧州臨床腫瘍学会(ESMO)で、米国Evanston Northern HealthcareのD.Cella氏が報告した。

 スニチニブは抗腫瘍効果を有する経口の多標的マルチターゲット型チロシンキナーゼ阻害剤。フェーズ3無作為化試験において、転移性腎細胞癌の1次治療としてIFN-αと比較したスニチニブの有効性が2007年に報告されている。

 本試験の対象は、フランスやドイツ、英国などEUの患者275人と米国の患者346人にブラジルやロシアなどの患者を含めた計750人。

 対象を半数ずつ無作為にスニチニブ50mgを毎日、6週間のクール(4週間投与、2週間休止)で投与する群と、IFN-α(1週目600万IU、2週目より900万IU、皮下注で週3回)を投与する群に割り付けた。各クールの1日目と28日目に、QOLを評価する Functional Assessment of Cancer Therapy-General(FACT-G)やFACT-Kidney Symptom Index(FKSI)などの質問票を渡した。

 患者は解析の時点で22クールまで治療を受けた。スニチニブ投与群はIFN-α投与群に比べ、健康関連QOLの評価項目が良好で、ほとんどの評価項目で治療群間に有意差を認めた。一方国際比較においては、FKSIの症状の1項目を除くすべての評価項目で米国とEUの対象の間に差は認められなかった。

 これらの結果から、スニチニブはIFN-αよりも転移性腎細胞癌患者のQOLを高める効果があり、その効果は国籍を問わないものと考えられる。