VEGFR1、2、3を選択的に阻害する経口製剤であるアキシチニブ(AG-013736)のわが国におけるフェーズ1試験で有望な結果が得られたことが明らかとなった。一部の患者で抗腫瘍効果が確認され、忍容性も認められた。成果は9月12日から16日にスウェーデンストックホルムで開催された欧州臨床腫瘍学会で、神戸大学医学部附属病院腫瘍内科特命教授の南博信氏によって発表された。

 フェーズ1臨床試験は固形癌患者12人を対象に行われ、5mgのアキシチニブが1日2回投与された。腫瘍の縮小は9人の患者で確認され、部分奏効(PR)相当が2人、安定状態(SD)が7人だった。また24週以上のSDとなった患者が4人(大腸癌患者2人、非小細胞肺癌患者1人、胸腺癌患者1人)いた。非小細胞肺癌患者1人では40週以上のSDが得られた。

 FDG-PETで全身のFDGの集積を調べたところ、SUV(Standardized uptake value;標識RIによる関心領域の放射線強度が体内組織の何倍かを示す指標)の最大値が8人の患者で減少した。

 一方、副作用は用量制限毒性が1人の患者(グレード3の蛋白尿とグレード3の倦怠感)で認められた。倦怠感は甲状腺刺激ホルモン(TSH)の上昇に関連していた。多く見出された副作用は倦怠感(83%)、下痢(75%)、無力症(67%)、口内炎(58%)、TSHの上昇(67%)だった。5人の患者がグレード3の倦怠感を発現し、そのうち4人でTSHが上昇していた。治療開始後1カ月以内のTSH値上昇が一般的に観察され、TSH値上昇に伴って倦怠感が出現した。甲状腺が機能不全となりTSH値が上昇するが、そのアキシチニブ投与による機構は不明だという。

 アキシチニブ投与によって治療1カ月後でsVEGFR2(42%減)とsVEGFR3(53%減)の安定的な減少が認められ、血漿中のVEGFは267%増となった。

 アキシチニブはわが国では膵癌を対象にゲムシタビンと併用するフェーズ3試験(国際試験)、腎癌を対象に単剤を投与するフェーズ2臨床試験が行われているという。