高齢者の転移性大腸癌に対するフルオロピリミジン系抗癌剤とベバシズマブの投与は、65歳未満の患者に投与する場合と同様に有用であることが明らかとなった。今までに実施された3件のファーストラインとしての試験(NO16966、AVF2107g、AVF2192g)と1件のセカンドラインとしての試験(E3200)の試験を総合的にレトロスペクティブ解析した結果、示されたもの。成果は9月12日から16日にスウェーデンストックホルムで開催された欧州臨床腫瘍学会(ESMO)で英Glasgow大学のJ.Cassidy氏によって発表された。

 発表によると高齢の転移性大腸癌患者には積極的な治療を控える医師もいるが、今回の結果は、65歳以上の患者でもベバシズマブの効果が十分に期待できるという。

 解析はまずそれぞれの試験で65歳未満と65歳以上、70歳以上に分けて無増悪生存(PFS)のハザード比の比較を行った。そしてさらに、全試験の参加患者をプール(3007人のデータ)し、65歳未満(1864人)と65歳以上(1152人)、70歳以上(712人)に分けて無増悪生存のハザード比の比較が行われた。

 4試験でそれぞれ解析したところ、どの試験もベバシズマブ投与群でハザード比は低下しているが、各年齢群による差は見出されなかった。

 プールした患者で行った解析でも同様で、全体のハザード比は0.58(95%信頼区間 0.53-0.64)で、65歳未満のハザード比は0.59(95%信頼区間 0.52-0.66)、65歳以上のハザード比は0.58(95%信頼区間 0.49-0.68)だった。さらに70歳以上でもハザード比は0.58(95%信頼区間 0.53-0.64)と同等だった。

 プールした患者で全生存期間のハザード比を調べたところ、65歳未満のハザード比は0.77(95%信頼区間 0.69-0.86)、65歳以上のハザード比は0.85(95%信頼区間 0.74-0.97)、70歳以上のハザード比は0.79(95%信頼区間 0.66-0.93)だった。年齢が高くなると癌以外による死亡が増えると考えられるにも関わらず、3群ともほぼ同等のリスク軽減率を示した。