ソラフェニブの投与により、アジア太平洋地域の肝細胞癌(HCC)患者では、B型肝炎ウイルスの状態に非依存的に全生存率(OS)が有意に改善した。この結果はフェーズ3試験のサブグループ解析で明らかになったもので、9月12日から16日にスウェーデン・ストックホルムで開催された欧州臨床腫瘍学会(ESMO)で、中国のSun Yat-Sen University Cancer CenterのZhongzhen Guan氏が報告した。

 試験対象の中国、韓国、台湾のHCC患者226人中、サブグループ解析の対象としたのはHBV陽性の165人。ソラフェニブ400mgを1日2回投与する群(106人)とプラセボを投与する群(59人)に無作為に割り付けた。ソラフェニブ投与群とプラセボ投与群の年齢の中央値、男女比、Child-Pugh分類、肝外転移、血管浸潤の割合は差がなかった。

 評価項目はOS、症状発現増悪までの期間(TTSP)、増殖抑制時間(TTP)、病勢コントロール率(DCR)、安全性などとした。

 OSは、ソラフェニブ投与群5.9カ月、プラセボ投与群4.1カ月、TTPはソラフェニブ投与群2.7カ月、プラセボ投与群1.4カ月、DCRはソラフェニブ投与群30.2%、プラセボ投与群17.0%、であった。これらの値はソラフェニブを投与した全対象者の結果とほぼ同等であった。

 最も多かった薬剤関連性のグレード3以上の有害事象は手足症候群と下痢で、ソラフェニブ投与群ではそれぞれ12.4%と5.7%に発症し、プラセボ投与群では発症しなかった。

 これらの結果から、Guan氏は「HBVの状態に関係なく、アジア太平洋地域の進行性HCC患者にソラフェニブは有効」と結論している。