骨吸収抑制剤(ビスホスホネート製剤)であるゾレドロン酸は、固形癌転移による骨病変があり、骨吸収マーカーである1型コラーゲン架橋N-テロペプチド(NTx)が100nmol BCE/mmol・Cr以上の患者の生存を改善することが、3件の臨床試験の結果をメタ解析して明らかになった。英国Weston Park HospitalのRobert E. Coleman氏らが、9月12日から16日にスウェーデンのストックホルムで開催されている欧州臨床腫瘍学会(ESMO)で発表した。

 解析対象は、3件の臨床試験に登録し、乳癌や前立腺癌、肺癌、およびその他の固形癌の転移による骨病変のある患者1642人。このうち、ゾレドロン酸を投与したのは1071人、プラセボが571人だった。原発巣は、前立腺癌が643人、乳癌が227人、非小細胞肺癌およびその他の固形癌が772人だった。

 解析の結果、全体ではゾレドロン酸投与群とプラセボ群で生存には有意な違いがなかった(RR=0.939、95%信頼区間0.828-1.064)。しかし、NTXの正常値上限である64nmol BCE/mmol・Crでサブグループに分けたところ、治療開始前のNTX値が64nmol BCE/mmol・Cr以上の患者では、ゾレドロン酸投与群で死亡リスクが17%低下し(RR=0.828、p=0.034)、生存の改善が認められたが、64nmol BCE/mmol・Cr未満では有意ではなかった(RR=1.137、p=0.328)。

 次に、NTX値100nmol BCE/mmol・Crで2群に分けた結果、100nmol BCE/mmol・Cr以上のグループでは、ゾレドロン酸群では生存が26%改善したが(RR=0.736、同0.592-0.916、p=0.006)、100nmol BCE/mmol・Cr未満では両群間に有意な違いは見られなかった(RR=1.062、p=0.5362)。

 また多変量解析により、生存改善に関わる因子を分析した結果、NTX値(100nmol BCE/mmol・Cr以上)のほか、病的骨折や脊髄圧迫、骨病変に対する外科的手術や放射線治療の必要性のある骨関連事象(SRE)の既往や、治療開始時にクレアチン値が正常値であること、アルブミン値が35g/dL以下であることも、ゾレドロン酸投与によって生存が改善する予測因子になることが示された。

 これらの結果から、「生存の改善は癌に対する直接的な効果よりも、むしろ骨病変への効果を介したものであろう」としている。