固形腫瘍に対するBIBW2992の1日1回投与とパクリタキセルの週1回投与の併用で、有望な抗腫瘍活性がフェーズ1試験で認められた。9月12日から16日にスウェーデンストックホルムで開催された欧州臨床腫瘍学会(ESMO)で、英国King's College London and Guy's & St Thomas NHS Foundation Trustの J.F. Spicer氏が報告した。

 BIBW2992は、上皮増殖因子受容体(EGFR)とHER-2受容体の両方のチロシンキナーゼを強力かつ不可逆的に阻害する。本試験ではオープンラベルに用量を増加し、主要評価項目は週1回投与のパクリタキセルと併用するBIBW2992の最大耐用量(MDT)の決定であった。

 対象は進行性の固形腫瘍で、erbBを発現しタキサン系薬剤による治療に適格と考えられた患者16人(うち男性6人、年齢の中央値59歳)。

 BIBW2992は20mgで開始し1日1回の投与、パクリタキセルは80mg/m2を週1回(1、8、15日目に投与)の投与とし、4週間1クールとした。継続するコホートではBIBW2992の投与量を40mg、その後50mgに増量し、最大6クールまで継続し、安全性、薬物動態、抗腫瘍作用を評価した。ベネフィットが得られ耐容性を認めた患者にBIBW2992の単剤投与を続行した。

 BIBW2992の投与量50mgで、1クール目に疲労と粘膜炎の2件の用量制限毒性(DLT)が発生したが、投与量が40mgのコホートではDLTは観察されなかった。

 BIBW2992とパクリタキセルの併用による毒性は発疹、下痢、疲労など軽度から中等度で、管理可能であった。

 非小細胞肺癌(NSCLC)3人、前立腺癌1人、食道癌1人、肝内胆管癌1人に部分奏効を認めた。NSCLCと頭頸部扁平上皮癌で各1人に10カ月以上の不変を維持した。

 これらの結果から、Spicer氏は「BIBW2992の40mgとパクリタキセル80mgの併用は耐容性が良好で、推奨用量と考えられる」と話している。