術前補助療法や術後補助療法として、アントラサイクリン系抗癌剤とタキサン系抗癌剤の両方を使用しており乳癌が再発した患者でも、2年弱以上タキサンを使用していない期間があればタキサン系抗癌剤を再投与すると有効な可能性が指摘された。再発患者のデータをレトロスペクティブに解析した結果、明らかになったもの。成果は9月5日から7日に米国ワシントンDCで開催されたBreast Cancer Symposium(ASCO Breast)で国立がんセンター中央病院の山本春風氏によって発表された。

 国立がんセンター中央病院で、1998年9月から2006年8月までに術前補助療法や術後補助療法として、アントラサイクリン系抗癌剤とタキサン系抗癌剤の両方を使用した患者は660人いた。そして2007年9月までに再発した113人のうち、ファーストラインとしての治療を受けた87人について使われた薬剤の効果についてレトロスペクティブ解析を山本氏らは行った。その結果、トラスツズマブとタキサン系抗癌剤(パクリタキセルの毎週投与かドセタキセル)を併用した患者が17人、トラスツズマブなしにタキサン系抗癌剤を使用した患者が39人とタキサン系薬剤を再投与している例が多いことが明らかとなった。

 トラスツズマブとタキサン系抗癌剤を併用した患者の奏効率は70.6%、全生存期間中央値は586日、無増悪生存期間は273日だった。トラスツズマブなしにタキサン系抗癌剤を使用した患者の奏効率は33.3%、全生存期間中央値は212日、無増悪生存期間は105日だった。

 トラスツズマブなしにタキサン系抗癌剤を使用した患者39人についてどういった患者で生存に対する効果が高いか解析したところ、タキサン系抗癌剤を使用していなかった期間が683日よりも長い患者の方が、使用していなかった期間が683日以下の患者よりも効果が高いことが分かった。