高リスクのリンパ節転移陰性の乳癌患者の術後補助療法として、タキサン系抗癌剤を含むTACレジメンの方が5-FU系抗癌剤を含むFACレジメンよりも優れていることが明らかとなった。TACレジメンの方が5年時点での再発リスクを33%減らすことが示された。これはスペイン、ドイツ、ポーランドで行われたGEICAM9805試験の結果。術後補助療法として、TACレジメンがFACレジメンよりも優れていることはリンパ節転移陽性の乳癌患者では示されていたが、リンパ節転移陰性の患者で示されたのは初めてになる。

 成果は9月5日から7日に米国ワシントンDCで開催されたBreast Cancer Symposium(ASCO Breast)でスペインHospital Universitario San CarlosのMartin M氏によって発表された。

 GEICAM9805試験は、1998年のSt Gallenリスク分類で高リスクとされた因子(グレード2/3、腫瘍サイズが2cm超、年齢が35歳未満、ホルモン受容体陰性)を少なくとも1つ有するリンパ節転移陰性の乳癌患者1059人を対象に行われた。術後補助療法として、TACレジメン(1日目にドセタキセル75mg/m2、ドキソルビシン50mg/m2、シクロフォスファミド500mg/m2を投与)を3週間置きに6回投与された群(539人)とFACレジメン(1日目に5-FU500mg/m2、ドキソルビシン50mg/m2、シクロフォスファミド500mg/m2を投与)を3週間置きに6回投与された群(520人)を比較した。ホルモン受容体陽性患者にはタモキシフェンの5年間投与を併用し、TAC群は237人の患者を登録した時点で約25%に好中球性発熱が見られたため、顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)を投与することにした。両群の患者背景は類似していた。

 試験の結果、5年時点で無病生存率はTAC群で91%、FAC群で86%となり、無病生存率のハザード比は0.67(95%信頼区間 0.48-0.94;P=0.0181)で再発のリスクを33%TAC群が減らすことが明らかとなった。

 一方、毒性はTAC群でG-CSF投与する前の群には発熱性好中球減少症が多かったが、G-CSFを投与された群では大幅に減少し、管理可能だった。