閉経前乳癌の治療に使われるLHRHアゴニストのゴセレリンの3カ月に1回投与ですむ10.8mg製剤は、毎月投与する3.6mg製剤と比べて、エストラジオール抑制能、副作用がほぼ同等であることが、わが国の乳癌患者を対象にした臨床試験で明らかとなった。患者の負担の少ない10.8mg製剤の早期申請、承認が期待される結果で、9月5日から7日に米国ワシントンDCで開催されたBreast Cancer Symposium(ASCO Breast)で愛知県がんセンターの岩田広治氏によって発表された。

 試験はエストロゲン受容体陽性の閉経前早期乳癌患者を対象にオープンラベル多施設無作為化試験として行われた。患者は12週ごとにゴセレリン10.8mgか4週ごとにゴセレリン3.6mgを皮下に注射された。すべての患者は1日当たり20mgのタモキシフェンの投与を受けた。主要評価項目は最初の24週間のエストラジオールの濃度とし、副次評価項目としてエストラジオールの濃度変化、卵胞刺激ホルモン(FSH)の血清中濃度などとした。170人の患者が試験に参加し、85人ずつがゴセレリン10.8mgかゴセレリン3.6mgの投与を受けた。

 試験の結果、両群ともエストラジオールの血清中濃度は4週目までに急激に低下し、追跡した96週まで検出限界である0.70pg/mLから4.69pg/mLに抑制された。FSHの濃度も両群とも4週目までに急激に抑制され、その後は1.283mIU/mLから2.117mIU/mLに維持された。

 一方、副作用も両群ともに同様で、ほてりが最も多く、3.6mg群で47人(55.3%)、10.8mg群で55人(64.7%)で、次いで鼻咽頭炎が3.6mg群で35人(41.2%)、10.8mg群で31人(36.5%)、頭痛が3.6mg群で15人(17.6%)、10.8mg群で22人(25.9%)だった。