既治療のHER2陽性転移性乳癌を対象に、トラスツズマブオキサリプラチンを併用投与することは、トラスツズマブの単独投与と白金系製剤の単独投与よりも高い抗腫瘍効果を示す可能性が明らかとなった。両剤を併用するフェーズ2臨床試験の予備的な解析結果で示されたもの。成果は9月5日から7日に米国ワシントンDCで開催されたBreast Cancer Symposium(ASCO Breast)で米Sarah Cannon Research Institute/Tennessee OncologyのDenise A.Yardley氏によって発表された。同氏によるとトラスツズマブとオキサリプラチンの併用投与は、トラスツズマブと他の白金系製剤の併用とほぼ同等の効果を持ち、しかも毒性が少ないという。

 フェーズ2臨床試験は全身状態が比較的良い21人のHER2陽性転移性乳癌患者を対象に行われた。患者の年齢中央値は60歳(40-78)だった。転移巣は肝臓が13人と最も多く、肺も12人いた。3週間置きに1日目にオキサリプラチンとトラスツズマブを投与することを1サイクルとした。オキサリプラチンの投与量は毎回130mg/m2だったが、トラスツズマブは1サイクル目の投与量のみ8mg/kgを投与し、2サイクル目からは6mg/kgを投与した。2サイクルごとに放射線画像により効果を評価した。投与サイクル数の中央値は3.3サイクル(1-10)で、フォローアップ期間の中央値は11カ月。7人でオキサリプラチンの減量が行われた。

 試験の結果、完全奏効(CR)が1人(5%)、部分奏効(PR)が5人(24%)、安定状態が2人(10%)で、奏効率は29%で、臨床的利益率は39%だった。無増悪生存期間中央値は2カ月で、全生存期間中央値は9.1カ月だった。

 一方、副作用はグレード3、4の血液学的な副作用は全くなかった。非血液学的な毒性もグレード3の関節痛、感覚性ニューロパシーなどが各1例ずつ起こるなど発生は少なかった。