抗HER2モノクローナル抗体であるトラスツズマブに細胞傷害活性を持つ化合物であるDM1を結合させたトラスツズマブ-DM1が、HER2陽性転移性乳癌患者でHER2標的療法が無効だった患者を対象にしたフェーズ2臨床試験で有望な結果が得られたことが明らかとなった。成果は9月5日から7日に米国ワシントンDCで開催されたBreast Cancer Symposium(ASCO Breast)で米Sarah Cannon Cancer CenterのH.A.Burris氏によって発表された。

 フェーズ2臨床試験は、HER2陽性の転移性乳癌患者でトラスツズマブなど抗HER2療法を受けたが進行した患者31人を対象に行われた。3週間置きにトラスツズマブ-DM1を3.6mg投与した。患者の年齢中央値は57歳(38-79)だった。投与サイクル数中央値は5.0サイクル(1-12)だった。

 試験の結果、独立した評価委員会による評価で、評価可能だった30人の患者のうち、9人で部分奏効(PR)が得られ、奏効率は30.0%(95%信頼区間:16.3-47.6)だった。研究グループによる評価では1人の完全奏効、12人のPRが得られ、奏効率は43.3%(95%信頼区間:25.5-62.6)だった。試験は独立した評価委員会で30人中5人でPR以上を達成することが目標であったため、目標は達成された。

 一方、副作用はグレード5の副作用はなく、グレード4の副作用は、血小板減少症が1人、トランスアミナーゼの上昇が1人、錯乱状態が2人、消化不良が1人で認められた。多く見られた副作用は、血小板減少症、倦怠感などだった。グレード3の末梢神経障害が1人の患者で認められたが投与量の低減によって試験を継続することができた。副作用の傾向はフェーズ1試験で見られたものと類似していた。

 左室駆出率が45%以下に減少した患者が2人認められたが試験を継続することができた。