アイルランドElan社と米Biogen Idec社は、2008年9月5日、「タイサブリ」(ナタリズマブ)を癌治療に適用する初の臨床試験で、患者への投与が始まったと発表した。フェーズ1/2試験の目的は、再発性または難治性の多発性骨髄腫患者に対する安全性と抗癌活性の評価にある。

 ヒト化抗VLA4モノクローナル抗体製剤の「タイサブリ」は、多発性硬化症を適応として欧米などで承認を得ており、先頃、クローン病への適用も認められた。

 VLA-4はα-4インテグリンとも呼ばれており、様々な種類の免疫細胞に発現されている。多発性骨髄腫細胞の表面にも見つかっており、悪性細胞の生存にかかわると考えられている。

 オープンラベルで行われるフェーズ1/2試験の対象は、18歳以上で、「ベルケイド」(ボルテゾミブ)とサリドマイド、またはサリドマイド誘導体の「レブリミド」(レナリドミド)を用いた治療後に再発した、またはこれらに非忍容の多発性骨髄腫患者。

 最大12人を登録する予定のフェーズ1部分は、標準的な用量漸増試験になっており、「タイサブリ」の安全性と忍容性が評価される。

 フェーズ1で見いだされた耐用量を用いて行われるフェーズ2部分は、最大で30人を登録する予定だ。28日ごとに6カ月間静注し、部分奏効または完全奏効となった患者を選んで、進行が見られるまで「タイサブリ」の投与を継続する計画になっている。

 両社は、多発性骨髄腫以外の癌にも「タイサブリ」は有効と期待している。