マルチキナーゼ阻害剤のソラフェニブがアロマターゼ阻害剤(AI)に抵抗性となったホルモン受容体陽性転移性乳癌患者のAI感受性を回復させる可能性が明らかとなった。ソラフェニブとAIの1つであるアナストロゾールを併用投与したフェーズ1/2試験の結果示されたもの。成果は9月5日から7日に米国ワシントンDCで開催されたBreast Cancer Symposium(ASCO Breast)で、米Georgetown大学のD.S. Subramaniam氏によって発表された。

 臨床試験は1剤以上のAIの投与を受け、再発、もしくは病状が進行したホルモン受容体陽性転移性乳癌患者を対象に行われた。患者は閉経後かLHRHアゴニストを投与された閉経前の患者だった。毎日アナストロゾール1mgとソラフェニブの投与がされた。

 フェーズ1部分では、ソラフェニブの用量を4段階に分けて行った。その結果、フェーズ2の推奨用法用量は400mgの1日2回投与となった。フェーズ2試験で12人が参加した段階で行われた中間解析の結果、30%を超える臨床的有用率(CBR)が認められたため、フェーズ2は35人まで拡大されることとなり、現在までに27人が登録された。患者の年齢中央値は57歳(39-76)だった。

 その結果、評価可能だった23人の患者のうち、部分奏効(PR)が2人、24週間にわたる安定状態(SD)が5人でCBRは26.08%となった。効果が得られた群では、血管新生の指標となる循環血管内皮細胞(CEC)の数が減少していた。

 一方、副作用はグレード1/2で多かったのは下痢(54%)、吐き気/嘔吐(42%)だった。グレード3/4で多かったのは手足症候群(38%)、吐き気/嘔吐(17%)、高血圧(8%)だった。

 研究グループは、ソラフェニブが単剤として転移性乳癌に投与されたフェーズ2試験の結果から、今回得られた効果は、ソラフェニブによる直接的な抗癌作用ではなく、ras-raf-MAPK経路をソラフェニブが阻害したことによって、AIの活性が回復したと考えている。