乳癌学会が行っている全国乳がん患者登録の最新2005年のデータが発表された。昨年発表された2004年に比べて、微増ながらも検診で発見される乳癌の比率が上昇していた。同データは、日本乳癌学会の理事長を務める川崎医科大学乳腺甲状腺外科の園尾博司氏が、9月3日に都内で開催された第16回日本乳癌学会学術総会開催前プレスカンファレンスで発表したもの。

 「微増ではあるものの、検診で発見される割合が増えたことは意味があるだろう。今後も、検診による乳癌の発見比率が増加を続ければ、乳癌の治癒率が向上すると期待される」と、園尾氏は語った。

 乳癌学会は、2007年度から全国の主要施設を対象に全国乳がん患者登録調査を行っている。今回は、2005年に新たに乳癌を診断された患者1万5816人が登録された。日本では、毎年、約4万人が乳癌を発症していると推計されており、その約4割が登録されたといえる。

 発見状況は、自己発見が71%と、2004年の74%から微減した。その一方で、検診による発見率が23%となり、前年の21%よりも微増していた。乳癌は、早期の段階で発見・治療できれば治癒率が高い疾患だ。そのため、検診による早期発見が重要視されている。

 また、今回の調査では、腫瘍の大きさが2cm以下の早期で発見された割合が、前回の44.9%から47.2%に増加していた。すなわち、微増ながらも早期乳癌の比率が上昇したことになる。一方、腫瘍が2.1cm〜5.0cmで発見された割合は、2004年の43.0%から、40.6%に減少していた。

 選択された手術の方法で最も多かったのは、前回同様に乳房温存術であり、その比率は2004年の50%から53%に増加していた。一方、胸筋温存乳房切除術は、前回の43%から39%へと減少していた。