小児固形腫瘍の1つである神経芽腫は、受容体型チロシンキナーゼALKの遺伝子の突然変異によって起こることが、家族性神経芽腫の患者を対象にした研究で明らかになった。また非遺伝性の神経芽腫においても、ALK遺伝子の突然変異が確認された。米Children's Hospital of PhiladelphiaのYael P. Mosse氏らが、Nature誌8月24日号電子版に発表した。

 神経芽腫は小児固形腫瘍の中で最も頻度が高く、発生数は小児の悪性腫瘍のおよそ7%、死亡数としては15%を占める。米国における発生頻度は年間600人といわれている。

 Mosse氏らの研究グループは、家族性神経芽腫の20家族のDNAを分析した結果、家族性神経芽腫は2番染色体の領域と関連していることが明らかになった。続いて、その領域のシークエンスをさらに調べたところ、8家族において、ALK (anaplastic lymphoma kinase)遺伝子の突然変異が認められた。また、非遺伝性の神経芽腫においても、腫瘍サンプル194例のうち約12%において、ALK遺伝子の変異が見られた。

 研究グループは、リンパ腫や肺癌でもALK遺伝子の変異を確認している。これら3つの悪性腫瘍において、ALKは癌遺伝子であり、その突然変異によって、癌化のシグナルがオンになると考えられている。すでにALK阻害薬を使った臨床試験がリンパ腫や肺癌において行われているが、同研究グループは、小児ハイリスク神経芽腫を対象としたALK阻害薬の臨床試験を計画中であるという。