米Introgen Therapeutics社は2008年8月18日、同社とGenedux社が6月30日に提出した癌遺伝子治療「ADVEXIN」に関する承認申請を欧州医薬品庁(EMEA)が受理したと発表した。これにより頭頸部に生じた再発性・難治性の扁平上皮癌へ、「ADVEXIN」適用を認めるかどうかの審査が開始される。「ADVEXIN」はアデノウイルスベクターを用いてp53遺伝子による癌抑制能を復活させることを目的にした薬だ。承認が得られれば、欧州初の遺伝子治療製品になる。

 申請は、オープンラベルの多施設無作為化フェーズ3の結果を含む総合的な臨床データに基づいて行われた。主要なフェーズ3試験では、対照群にメトトレキサートが投与された。また、p53バイオマーカーを指標としてp53遺伝子変異が陽性(「ADVEXIN」が有効と期待される)か陰性かで患者を分け、効果を比較する前向き研究も行われた。陽性群では、主要エンドポイント、2次エンドポイントの両方が達成された。

 これまでに以下のような結果が発表されている。

 p53マーカー陽性者の6カ月の時点の生存率をメトトレキサートと比較したところ「ADVEXIN」の臨床利益が示された。6カ月時に「ADVEXIN」群の生存率は67%、メトトレキサート群39%(P=0.00434)。

 「ADVEXIN」投与を受けた患者のうち、p53マーカー陽性者の生存期間は7.2カ月、p53マーカー陰性では2.7カ月と有意に短かった(P<0.0001)。

 メトトレキサートを投与された患者では、p53マーカー陽性群の生存期間は4.3カ月だった。p53マーカー陰性群では5.9カ月で、「ADVEXIN」を投与された場合より有意に長かった(「ADVEXIN」投与群に比べP=0.0112)。

 「ADVEXIN」奏効者の65%がP53マーカー陽性だった。メトトレキサート奏効者ではP53マーカー陽性患者は50%だった。P53マーカー陰性で「ADVEXIN」治療を受けたグループの奏効率は18%、メトトレキサート治療を受けたグループでは83%となった。従って「ADVEXIN」またはメトトレキサートの利益が顕著な患者群はそれぞれ異なることが明らかになった。

 「ADVEXIN」の安全性はメトトレキサートより高かった。