静岡県立がんセンターとアストラゼネカは、8月18日、抗がん剤の基礎研究・臨床試験に関する非独占的な包括契約を締結した。基礎研究の段階から連携し、アストラゼネカの豊富なパイプラインの中から、静岡県がんセンターの専門的な知識を持つ専門家の目を通して、日本人、アジア人に有効な製剤を選択し、両者で協議した上で迅速に臨床試験に入る計画だ。

 その結果、開発の極めて早期の段階でリストアップされるため、胃がん、肝がんなど日本人に多いがんの薬を多くリストに入れられることや、トランスレーショナルリサーチやバイオマーカーの手法を用いて、効率的に薬剤の選択を行うこと、早期の段階から臨床入りできるため、海外の臨床試験に遅れることなく開発を行うことができるなどのメリットが期待できるという。

 また、今回の契約は、非独占的な契約になるため、静岡県立がんセンターは他社と、アストラゼネカは他の施設と同様な契約を結ぶことができる。英AstraZeneca社は同様な契約を3年から4年の間に欧米で十数施設と結んでいる。わが国では臨床開発に関して、慶応義塾大学と提携しているが、施設ごとに適切な化合物や分野を選んで共同開発を進めていく計画だという。