小児の悪性腫瘍(肉腫)で、地固め療法としての樹状細胞ワクチンによって、生存率が改善することが明らかになった。結果はClinical Cancer Research誌8月1日号に掲載される。

 樹状細胞ワクチンは、樹状細胞に、患者の癌細胞由来のペプチドを導入したもの。対象は、再発または転移性のユーイング肉腫(ESFT)あるいは胞巣型横紋筋肉腫(AR)で、化学療法や放射線療法、外科手術などの標準的な治療を受けて寛解に至った患者。一般的なインフルエンザワクチンと同時に、リンパ球と、癌抗原を導入した樹状細胞を投与した。一部の患者にはT細胞リンパ球を活性化させるインターロイキン2も投与したという。

 この結果、新規ワクチンを受けた患者30人の5年生存率は43%だったのに対し、ワクチンを受けなかった患者22人では31%だった。

 研究グループのNational Cancer InstituteのCrystal Mackall氏は、「この40年間で小児肉腫の生存は改善したが、転移性あるいは再発患者に対しては、大きな改善はなかった。この研究は、免疫療法が安全で、忍容性が高いことを示すとともに、高リスク群に対して有用なことを示した」と評価している。

 さらにMackall氏は、「化学療法で回復した患者の免疫システムは順応性があり、今回の方法は最適な免疫学的アプローチといえる」と述べている。ただし、この樹状ワクチンには免疫原性がなく、今後さらなる研究が必要だという。