切除不能大腸癌患者に対して、標準的な化学療法に抗血管内皮増殖因子(VEGF)抗体製剤ベバシズマブ投与を組み合わせることで、転移巣の切除が可能になった例がわが国でも報告された。欧米と同様の効果が見られたことになる。成果は7月16日から18日に札幌市で開催された日本消化器外科学会で東京医科歯科大学大学院応用腫瘍学講座准教授の植竹宏之氏が発表した。

 海外ではオキサリプラチンを含む化学療法レジメンにベバシズマブを加えることで、転移巣が切除できるようになった患者の例が、2割弱であることが大規模観察研究First-BEAT試験で報告されている。

 植竹氏らは、ベバシズマブが承認後25人にアバスチン(商品名)を使用した。平均年齢は57歳(44-78)で、ファーストラインとしてベバシズマブを投与されたのが18人、セカンドラインとして投与されたのが7人。結腸癌が16人、直腸S状結腸癌が2人、直腸癌が7人だった。併用された化学療法はmFOLFOX6が22人、FOLFOX4が2人、sLV5FU2が1人で、投与サイクルは1回から20回だった。

 現在までに評価可能だった13人のうち完全奏効(CR)が2人、部分奏効(PR)7人、安定状態(SD)が3人、増悪(PD)が1人で、奏効率は69%に上った。また、このうち肝転移巣切除に3人が成功した。肺転移の切除も1人で予定されているという。肝転移の切除には術中に「ソナゾイド」造影超音波検査を利用することで、感度、効率よく転移巣の切除ができたという。