胆道癌手術後の補助化学療法として、ゲムシタビンの投与が安全である可能性が指摘された。これは術後補助化学療法としてゲムシタビンを投与し、観察期間6カ月以上の症例をレトロスペクティブに解析した研究で、術式によって副作用の差はなく、副作用もそれほど多くないことが明らかになったものだ。胆道癌の手術では術式によって肝葉切除するなど高度侵襲になることが多いため、ゲムシタビンが術式の違いによらず安全に投与できそうだと確認できたことは、今後、ゲムシタビンを術後補助化学療法として使用するための基礎的なデータとなる。成果は7月16日から18日に札幌市で開催されている日本消化器外科学会で、東北大学大学院消化器外科学の大塚英郎氏が発表した。

 ゲムシタビンの術後補助化学療法は、StageII以上で、PSスコアが0-2の患者を対象に、ゲムシタビン1000mg/m2を標準投与量として、3週投与1週休薬のスケジュールで行った。6カ月間継続投与でき、減量が1回以下、延期1週間まで、延期連続1回以下を完遂と判定した。対象は32人(上部、肝門部胆管癌16人、中下部胆管癌9人、肝内胆管癌2人、胆嚢癌4人)で、うち男性が19人で平均年齢は65.9歳だった。

 術式は肝膵十二指腸同時切除(HPD)が1人、拡大肝葉切除、胆道再建が17人、膵頭十二指腸切除が9人、S4aS5切除が4人、胆管切除が1人だった。ゲムシタビンの術後投与開始時期中央値は40日で、完遂率は23人(71.9%)だった。

 中止例9人のうち、再発が原因なのは4人で、血液学的な有害事象による中止は2人(6.3%)のみだった。致命的な有害事象はなかった。

 また膵頭十二指腸切除を行った場合の完遂率は77.8%、中止は22.1%、肝葉切除を行った場合の完遂率は70.6%、中止は29.4%と2群間で統計学的な有意差は認められなかった。有害事象の発生にも2群間で有意な差はなかった。