非転移性前立腺癌で、アンドロゲン遮断療法(ADT)により骨量が減少した患者にdenosumabを投与すると、骨密度(BMD)が上昇し骨折が減少する可能性があることが分かった。denosumabは、破骨細胞の本質的なレギュレータであるRANKL(NFκB活性化受容体リガンド)をターゲットとする完全ヒト型モノクローナル抗体。大規模フェーズ3プラセボ対照試験の結果から明らかになったもので、7月14日、米Amgen社が発表した。

 対象は、非転移性前立腺癌患者でADTを行っている1400人。骨量減少に対する治療としてdenosumabを投与し、主要評価項目は腰椎BMDの上昇、副次評価項目は新たな脊椎骨折の発生とした。denosumabの開発試験には既に世界中で1万9000人が参加し、前立腺癌については4300人以上で骨量減少および骨関連イベント(SRE)の治療と予防、さらに骨転移の遅延について検討されている。

 denosumabを投与した群では、プラセボを投与した群と比較して複数の時点で腰椎および脊椎以外の部位のBMDが統計学的に有意に上昇した。このような改善は、アロマターゼ阻害薬で治療している乳癌の女性患者や閉経後で骨量減少を認める女性患者のBMDを評価する試験結果と一致した。

 36カ月の評価期間中denosumabを投与した群では、プラセボを投与した群と比較して、新たな脊椎骨折の発生が半数以下で有意に低かった。さらに、denosumabを投与した群では36カ月間、脊椎以外の骨折もほとんど発生しなかった。

 本試験における有害事象は両群とも同様で、頻度が高かったのは関節痛、背部痛、便秘、四肢痛であった。重篤な有害事象では、感染症がdenosumabを投与した群で約6%、プラセボを投与した群で約5%に発生した。

 これらのデータは、denosumabの投与が単にBMDを増やすだけでなく、骨強度を改善して実際に骨折を減らせることを示唆するものだ。米Amgen社の研究開発担当で上級副社長を務めるRoger Perlmutter氏は、「ADTを受けている前立腺癌患者で、癌治療の合併症として重篤な骨量減少や骨折がある人にとって、大きなベネフィットをもたらす可能性を示した試験結果で非常に勇気づけられるものだ」と説明している。