日本人に共通する望ましい死のあり方に関する大規模なアンケート調査の結果が、このほどまとまった。これは、東京大学医学系研究科成人看護学/緩和ケア看護学の宮下光令氏らの研究によるもので、7月4日から5日に静岡市で開催された日本緩和医療学会で発表された。

 今回の調査は、一般集団として宮城県、東京都、静岡県、広島県に在住する40歳から79歳の住民5000人と、緩和ケア病棟で看取りの経験を有する遺族、約800人を対象に行われたもの。一般集団からは2548人の回答(回答率51%)、遺族からは513人の回答(回答率70%)を得ている。

 その結果、日本人の多くが共通して望む点として10項目があることが明らかになった。これは、「落ち着いた環境で過ごすこと」「人生を全うしたと感じられること」「望んだ場所で過ごすこと」「希望や楽しみを持って過ごすこと」「自分のことが自分でできること」「体や心の辛さが和らげられていること」「医師や看護師を信頼できること」「家族や他人の負担にならないこと」「人として大切にされること」であった。

 また、人によって重要さは異なるが、大切にしている点としては8項目が明らかになった。これは、「信仰に支えられていること」「できるだけの治療を受けること」「先々のことを自分で決められること」「生きていることに価値を感じられること」「病気や死を意識しないで過ごすこと」「他人に弱った姿を見せないこと」「自然なかたちで過ごすこと」「伝えたいことを伝えておくこと」であった。

 同研究を率いた宮下氏は、「若いほど、自立していたという気持ちが強かったが、年齢が上がるほど自立への願いは弱くなり、告知も望まず、死を意識したくない、今まで通りに普通に生活したいという気持ちが強くなっていた」と語る。

 また、海外の同様な研究では「残された時間を知り、準備をすること」が重要とされているが、今回のアンケートで、この点を重視する回答は50%から70%となっており、日本人は死への自律性はあまり重視していない点が示されたという。